贈与税の基礎知識1

税のマメ知識

P1.贈与とは
P2.贈与に課税する理由
P3.贈与税の課税財産
P4.非課税財産
P5.贈与税額の計算
P6.配偶者控除
P7.贈与税の納税猶予

贈与とは

1.贈与とは

「贈与」とは、自分の財産を無償で他人に与えることを言います。 ただし、一方的に財産を与えるだけでは「贈与」が成立したことにはなりません。 贈与する人が「自分の財産をタダであげる」という意思を贈与を受ける人に対して表明し、もらう人がこれを「承諾する」ことによって、贈与は成立します。 贈与する人を「贈与者」といい、贈与を受ける人を「受贈者」といいます。

2.贈与の成立

贈与によって財産が移転すると贈与税が課されることになりますが、相続税対策で贈与を行った場合、税務上、本当に贈与があったかどうかが問題とされることが多くあります。(相続開始前、財産の所有者が生存中に行う贈与を生前贈与と言います。)

3.生前贈与のポイント

(1)贈与によって財産が移転した証拠を残す

夫婦や親子など同居者や近親者の間において行われる金銭等の贈与は、契約書を作成して行われることが少なく、また、作成しても形式的なものにすぎないことが多いので贈与したのか、名前を借りただけなのか、または金銭消費貸借(貸付)であるのかの判定が難しくなります。そこで、贈与の事実を明らかにするためには、贈与契約書を作成するとともに、贈与の事実があったと認められる状況を残すようにすることが大切と考えます。例えば、父から子に現金を贈与する場合、父の銀行預金口座から子の銀行預金口座に振替で移すことで預金通帳に移転の足跡を残し、そのうえで贈与税の申告を行うといった事が考えられます。

(2)贈与財産の管理などは受贈者が行う

子供に現金を贈与した場合に、通帳も印鑑も贈与した親が所持したままで、贈与を受けた財産を子供が自由に処分できない状況にある場合には、贈与による財産の移転があったとは認められません。贈与により財産が移転したのであれば、贈与を受けた者はその贈与された財産の使用・処分は自由にできるのが原則です。
従って現金を贈与した場合には、通帳も印鑑も受贈者(子供)に渡し、贈与者(親)は贈与した財産にタッチしないでください。現預金・有価証券などの名義を親から子に変えただけで、贈与者(親)が引き続き管理している状況で親の相続が開始した場合には、その財産は親の相続財産であり、子の名前を借りただけであると判定され相続税の課税対象になると考えてください。

(3)贈与税は受贈者が納付する

贈与税は贈与された者が納付するのが原則です。贈与した親が贈与税の肩代わりをすると、支払った贈与税相当額も立替払いとして贈与税の対象とみなされます。相続時には立替金として相続財産として課税の対象となります。

4.名義預金の判定

相続税の税務調査時において、預貯金の名義が被相続人のものでなくても、実質的には被相続人の預貯金(名義預金)であるという指摘を受ける場合があります。
名義預金は、
 ①単に名義を配偶者や子・孫などの親族のものとしているもの
 ②形式的に贈与を行ったに過ぎず実質的に贈与が成立していないもの
の2つに大別されます。名義預金の具体的な判断基準としては、その預金の管理、運用を誰が行っているのかポイントとなります。 例えば、名義は親族等のものになっていても通帳や印鑑の管理を被相続人が行っている。実際の預け入れ、引き出し、預け替え等などの預金の運用を被相続人が行っている。といった様な場合には、被相続人の相続財産と認定される可能性が高くなります。また、被相続人が子名義の銀行預金口座を被相続人の使用しているものと同じ印鑑を使用して作った場合には、単に子の名義を借りて口座を作ったと考えられ、名義預金と判断される可能性が高くなります。

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