贈与税の基礎知識7

税のマメ知識

P1.贈与とは
P2.贈与に課税する理由
P3.贈与税の課税財産
P4.非課税財産
P5.贈与税額の計算
P6.配偶者控除
P7.贈与税の納税猶予

贈与税の納税猶予

農地や非上場株式を贈与した場合に一定の要件を満たせば贈与税の納税が猶予される制度があります。

1.農地等の贈与税の納税猶予

農業を経営する人が、その農地の全部(または一定割合以上)をその農業を引き継ぐ推定相続人の1人に贈与した場合には、その推定相続人について課税される贈与税は、受贈者又は贈与者のいずれかが死亡する日まで、その納税を猶予し、かつ、免除するという制度です。 ただし、贈与者の死亡により猶予されていた贈与税が免除された場合には、その農地等は贈与者から相続したものとみなして相続税の課税対象となります。また、特定市街化区域内にある農地等については、都市営農農地等に該当するものに限り納税猶予の対象になります。 なお、相続時精算課税適用者が相続時精算課税に係る贈与者からの贈与により取得した農地等について、贈与税の納税猶予の適用を受ける場合には、納税猶予の適用を受ける農地等については相続時精算課税は適用されません。

2.非上場株式等についての贈与税の納税猶予

事業の後継者である受贈者が贈与により、経済産業大臣の認可を受ける非上場株式等を親族(先代経営者)から全部又は一定以上取得し、その会社を経営していく場合には、その後継者が納付すべき贈与税のうち、その株式等(一定の部分に限ります。)は対応する贈与税の全額の納税が猶予されます。

(1)適用を受けるための要件

・会社の主な要件
次の会社のいずれにも該当しないこと
イ 上場会社
ロ 中小企業者に該当しない会社
ハ 風俗営業会社
ニ 資産管理会社
ホ 総収入金額が零の会社、従業員数が零の会社
・後継者である受贈者の主な要件
贈与の時において
イ 会社の代表者であること
ロ 先代経営者(贈与者)の親族であること
ハ 20歳以上であること
ニ 役員等の就任から3年以上を経過していること
ハ 後継者及び後継者と同族関係等のある者で総議決権数の50%超の議決権数を保有し、かつ、これらの者の中で最も多くの議決権数を保有することとなること
・先代経営者である贈与者の主な要件
イ 会社の代表者であったこと
ロ 贈与の時までに、贈与者及び贈与者と同族関係等のある者で総議決権数の50%超の議決権数を保有し、かつ、後継者を除いたこれらの者の中で最も多くの議決権数を保有していたこと

(2)担保提供

納税が猶予される贈与税額及び利子税の額に見合う担保を税務署に提供する必要があります。

(3)申告要件

贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、受贈者の住所地の所轄税務署に贈与税の申告をする必要があります。

(4)先代経営者が死亡した場合の取り扱い

贈与税の納税猶予の特例の適用を受けた非上場株式等は、相続又は遺贈により取得したものとみなして贈与時の価額により他の相続財産と合算して相続税を計算します。
なお、その際「経済産業大臣の確認」を受け、一定の要件を満たす場合には、そのみなされた非上場株式等(一定の部分に限ります)について相続税の納税猶予の特例の適用をうけることができます。

CMS合同事務所

税理士CMS合同事務所

〒180-0006 東京都武蔵野市中町1-23-17
武蔵野高和ビューハイツ3階

TEL 0422-51-1011

法人税、所得税、相続税の確定申告
税務全般に関する相談

お問い合わせはこちら

PAGE TOP